私も急ぎ秋を映しに出かける。菩提樹の木はしっかり幹を地に着け、その根っこの下には円形の枯葉の絨毯が描かれていた。さほど風が強くなかったのであろう、円くまるで木の葉のじゅうたんで飾られているように足下に落ちていた。
しばらく秋を写し取る被写体を求めてブラブラ散歩・・・すると黄色くいろづいた葉と白樺の間にベンチを見つけ、思わず「恋人よ」を思い出し、秋をおさめた。私はベンチが好きである。とりわけ公園のベンチは絵になる。どことなく寂しく、それでいて座って語る姿が思い出される。恋人の椅子でもあり、青春の椅子でもあり、老人の椅子でも人生の椅子でもある。秋は物思いに更けさせてくれる色である。
木漏れ日を求めて移住して6年、この公園も6回目の秋を迎える。毎年同じように写真を撮っているが同じ写真光景はない。自然は似通った風景は時折見せてくれるが、同じ光景はない。特に自然にかかわる側との関係においては、常に思う気持ちも違う。自然の懐は深い。まして嵐の後はなんと美しいのであろうと私はよく思う。